「旅の理不尽」こそ理不尽な本だった
私が「旅の理不尽」という旅行エッセイ本を見つけたのは偶然でした。
当時通っていた大学の敷地内にあった生協の本屋でおすすめ本として平積みされていたためです。
なぜか私は表紙の意味のわからない絵を見て一瞬で興味を惹かれました。
ふざけた絵に加えて題名が「旅の理不尽」。
この著書はもしかしたら相当ひどい旅をして、少し考えがおかしくなってしまったのかも知れないなと本気で思いました。
冒頭から意味がわからない
「旅の理不尽」を読んだ時「文学とは、エッセイとは?」という問いと共に今までの常識が吹っ飛びました。
簡単にいうと、「旅の理不尽」は全力でふざけ切った本なのです。
冒頭から要領を得ないことをポンポン言っていて、なぜこれが本として売られているのか?と意味がわかりませんでした。
けど、文句なく面白い。
少し立ち読みしただけで「これは買わないといけない本だ。」と思ったのでした。
「旅の理不尽」から私は旅行エッセイを探して読むようになったんですが、この本を超えるおふざけエッセイ本にはまだ出会えていません。
少し、本書の冒頭部分を引用します。
はじめに
旅とは何か。
それは、とても深い問題である。あまりに深く難しいため、旅は人生であるとか、試練であるとか、出会いとか、めぐり会いとか、メグ・ライアンとか、いろいろ言われているが、その真相は謎のままだ。
p.7
こんな調子がずっと続くのです。いい加減すぎる…!
旅行もこんな調子だからトラブルだらけ。
気持ちがいいくらいに詐欺にあったりバカにされながら旅行を続けます。
この人一体何がしたいのだ?と笑ってしまいます。
この本を読んでバックパッカーって楽しいんだろうなと素直に思えました。
そして、自分もこんなトラブルにあって見たいとか、まだ見ぬ国を訪れたいと強く思いました。
「旅の理不尽」を読めばバックパッカーしたくなる
「旅の理不尽」に関しては説明はこれくらいで十分です。というよりこれくらいしか書くことがないのです。
これから「バックパッカーをしたい」とか「海外旅行をしてみたいけどちょっと怖いな」と躊躇している方は、ぜひこの「旅の理不尽」を読んで見てください。
こんなちゃらんぽらんの人でも旅行できているのだから、自分なら大丈夫だろう!と安心できます。そういう力がこの本にはあります。
20代前後の人にはぜひこの本を読んでいただき、リュックひとつ、旅の理不尽と積極的に戯れて欲しいなと思います。
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